二酸化炭素濃度を測ってみました
予約していたCO2センサーが届きました!
二酸化炭素(CO2)濃度とは、空気中に含まれる二酸化炭素の割合を表すものです
濃度はppmで表され、大気中では、410ppmとされています。
室内の二酸化炭素濃度の基準は厚生労働省が定める建築物環境衛生管理基準で1,000ppm以下と定められています。
人体への影響は、以下の通りです。
1,000ppmを超えると、思考力、集中力が減少します。
2,000ppmを超えると、頭痛、眠気、倦怠感、注意力散漫、心拍数の増加、吐き気の発生などの健康への悪影響がでてきます。
100,000ppm(10%)で意識喪失、呼吸困難
200,000ppm(20%)を超えると中枢麻痺、死亡に至ります。
前置きはこのくらいにして、自宅の寝室で測定した結果を発表します。
まず、就寝前の濃度は、646ppmでした。
起床時の濃度はなんと、1,914ppmです。
この結果はどう見れば良いのでしょうか?
成人の睡眠時の呼吸は1分あたり16回、1回の呼吸で0.5L吐き出します。
この日は2人で延べ11時間睡眠を取りました。
吐き出した呼気は以下の通り。
16回/分×0.5L×60分×11時間=5,280L→5.28m3
呼気内の二酸化炭素濃度は10,000ppmなので、
呼吸による二酸化炭素の増加量は、0.0528m3 となります。
寝室の気積(空気の量)は、39.665㎡です。
就寝前の二酸化炭素濃度が、646ppmでしたので、
二酸化炭素量は、39.665m3×646ppm=0.2562m3
寝室内の二酸化炭素量は、0.0784m3 ですので、
二酸化炭素濃度は、0.0784m3÷39.665m3=1,976ppm となります。
実測値が1,914ppmですので、私たちの呼気中の二酸化炭素がそのまま室内に蓄積されているようです。
換気システムが稼働していないのでしょうか?
我が家は第3種換気システムです。
同じ階のトイレの排気機が空気を排出し、室内を負圧にします。
寝室の壁に設けてある自然給気口から、新鮮な外気を取り込むシステムです。
ここで、排気機が作動していないのでは?という疑問が生じましたので、風量測定しました。
排気量は、47m3/hで、問題ない数値です。
壁の自然給気口はどうでしょうか。
なんと壁の給気口からは全く外気が入ってきません。
我が家の気密性能は不明ですが、おそらくC値2~3程度と推測されます。
隙間が多めの住宅といえます。
みなさん、ストローで飲み物を飲みますよね。
では、穴の空いたストローではどうでしょうか?
力いっぱい吸い込んでも飲めませんよね。
入口と出口以外に余計な穴(隙間)があると飲めないんです。
これは、住宅の換気も一緒です。
出口(排気機)と入口(自然給気口)以外の隙間を無くすと、計画通りの換気ができるようになります。
今回は二酸化炭素濃度の測定から、住宅の高気密化(隙間を少なく)することが、計画通りに換気できるようになり、室内の空気環境を快適に保つことにつながることが分かりました。
高気密・高断熱という言葉が独り歩きしているようにも思えますが、一番大切なのは、生活する私たちが快適に過ごせる住宅をつくること。
そのために必要な性能が高気密・高断熱ということなんですね。